2005年11月アーカイブ


 
    中国では1977年からの「計画生育政策」所謂、一人っ子政策導入後、一人っ子世代がなんと9000万人に達した。来年から数年間にわたり「第三の消費ブーム」が到来するらしい。
  このような一人っ子は、「月光族」と呼ばれる。月が太陽の光を受けて輝くが如く、両親の庇護のもとで不自由ない生活を送るという意味。月光族は就職しても家計費は両親持ち。給与所得のほとんどが可処分所得で、高額商品をいとも容易く購入するのだ。
2000年に生まれた就学児と1977年生まれの30歳手前の月光族は来年、7500万人に上る。
  なんとも中国では、一人っ子の異名を「小皇帝」と呼ぶらしい。凄い・・・・・以前、マーケティングレポートで日本に於ける「シックスポケット」の分析をしたこともあるが、中国では両親、祖父母そして親類までが加わり、「与え続ける」。
 成長しても晩婚か若しくは、シングル。食費、家賃などどこ吹く風状態。すべて親任せ状況が作られる。改革・開放路線導入からの5年後の第一次消費ブームそして第二次消費ブーム。今回の第三次ブームは、中国の高度経済成長期と、小皇帝の成長期とが見事に重なりあい、それは長きにわたり続いていくと予想されている。
  もう、これ以上「何」を消費していくのだ?

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 今、 町を歩いていると既にクリスマス商戦に突入していることが感じられる。 米国でも一年の中で一番活気だつクリスマス商戦が始まったという。小売業界にとって、消費者の購買意欲を刺激するため、大いなるプライスダウン合戦も激化。日本もいよいよ歳暮から年末年始へと財布のひもが緩むというか緩ませようという季節がやってくる。「賞与も期待」などということもあり、消費に回すお金も増える?という。しかし年明けからの所得税の実質引き上げとともに本格的な増税時代を私たちは迎えるのだ。そんな中にあっても、消費か貯蓄か・・・・今、そんなことを考えられるひとは幸せだ。


  姉歯建築設計事務所の耐震強度偽造問題。横浜市が横浜市鶴見区小野町のマンション「コンアルマーディオ横浜鶴見」の住民に対し、建築基準法に基づく使用禁止命令を発令した26日。初めての使用禁止命令であるが、一生の中でも大きな買い物をしたマンションの入居者は今、どんな気持ちなのか考えると、本気で「安全」を確保するためにどうしたら良いのか?どんな気持ちでこの年末からを迎えるのか?と考えると他人事ではない。一連の偽造問題で・・・なんて簡単では済まされない。

  天災とは待ったなしに訪れるものなのだ。人は自然に対しては全くの無力であることを強く認識すべきなのだ。本当に分かっているのか?明日にでも震度5強の地震が首都圏を襲ったら・・・・それは、あり得ることなのだ。
 

 「106%で買い戻す。すべて自己資金で」と、また新たに物件の発覚の中で、「購入金額の6%を支払うとしたが、3%に引き下げたい」などと話など全く根拠のない発言を繰り返す「ヒューザー」の小嶋社長。直接どうだこうだという論点ではないが、この会社は1982年に「恒和不動産」という社名で設立し、その後に「マンション流通センター」「ハウジングセンター」など商号変更を度々繰り返し「ヒューザー」と社名変更をしたのは2001年のこと。
 衆院国土交通委員会に参考人として出席する予定だった姉歯秀次建築士も「怖い」?という理由でドタキャンまでしている。今。一握りの住民の問題・・・などといえない状況にきていること。先ずは、国民の安全な生活のため、国は全ての現状を正確に確認をしないと大変な事態となる。もう、一個人、一企業の問題ではないのだ。

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ichiko : 思い出の一冊


   実は ロードショーから観たい思っていた三島由紀夫作『春の雪』。
「一緒に行く!」と言う次女の都合とあわせていたもので、随分と時間が経ってしまった・・・・


 夢と転生という壮大なテーマを四部に分けて構成する「豊饒の海」。「春の雪」は起承転結でいうと「起」にあたる作品だ。この後、「奔馬」、「暁の寺」、「天人五衰」と続く。
 最後の「天人五衰」が三島の遺作となった。脱稿した直後の1970年11月、「楯の会」学生長森田必勝ほか三名の同志と、東京・市ヶ谷の陸上自衛隊で「天皇陛下の万歳」を三唱して古式に習い割腹自決した。45歳という若さだった。
  あれから、何年の月日が経ったのだろうか?あの日、高校からの帰宅途中だったと思う。この知らせを聞いて、私は暫くプラットフォームで立ち止まっていた。

 同性愛者としても有名であった三島の描く恋愛。母の女学校の同級生のKさんとも親交があったと小学校の時に聞いていた。Kさんが「男装」して三島由紀夫とパーティーに行ったなどという話を耳にした時は、単なる「変な人」という気持ちしか生まれなかった。


  何年か経ち、手にした一冊の本。清顕と聡子の悲恋。自尊心ゆえに完璧を求め、その不可能性を愛するがゆえに破滅しなければならなかった清顕の心、そして翻弄されつつ次第に揺れ動く心と、道を踏み外していく聡子の欲求。


  しかし・・・・不思議なもの。時間は人をやはり成長させる。高校の時には感じ得なかった感動で映画館を出た。
  昔々、ある人から「君はイメージが似ている」と言われてからずっと、私の頭の中に入ってしまっていた「聡子」という女性名。肥えてきたし、すげずけ物言うようになり・・・・今、そんな「聡子」は既に喪失してしまっているけれど。そんな思いもあってこの作品は私にとって印象深い一冊だ。

  オープニングの景色の描写は原作にほぼ近い。そして宇多田ヒカルのエンディングソングもなかなか無駄なかった。ただ、春の雪と紅葉がなんとも?だったけれど久しぶりに醍醐味。

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  またも、考えさせられる問題が起こってしまった。暗澹たる気持ちになる。

  東京、神奈川、千葉のマンションなどの構造計算書偽造問題だ。偽造を認めた千葉県市川市の姉歯(あねは)建築設計事務所・姉歯秀次一級建築士が、建設コストを抑える「経済設計」のできる建築士として、首都圏の建設業界で知られる存在だったということである。
 彼の開き直り?とも思える記者への説明をテレビで見た。悪びれる素振りも微塵にも見せず。「仕事をこなすことで頭がいっぱいになり、やってしまった」とその理由を語っている。
 数年前に都内のマンション業者から受注した物件の構造計算をする上で、コンピュータソフトへの入力数値を改竄して、鉄筋の本数を抑えるなど建設コストを圧縮した。その結果、このマンション業者から次の受注を得ることに。つまり、これに味をしめる格好で、ほかの業者の受注に対しても、計算書の偽造を繰り返し、繰り返し・・・・・「こりゃいける・・・」とゴクンと味をしめたその時から彼の頭の中には、本来、最優先されるべき人の命より、目先の仕事、つまり「金」のことでいっぱいになってしまったわけなのだ。人としての倫理観を失い、金に溺れた。改竄した数値が、数多ある人々の生活を脅かすことを想像する思考能力も完全に失った。罪の意識があれば、発覚したその時に人間は狼狽する。あのふてぶてしさ、且つ、マンション業者の代表者さえ「日常の業務は遂行していた」とまたも開き直る。
  
  常に「当たり前」のことが「当たり前」に出来る人間であれ。
  いかなる人も、肝に銘じ。

 

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  このところ、夜空を見上げるとうっとりとしてしまう。本当に月が綺麗だから。そして、接近した火星がまたきらきらと輝いて何とも神秘的な夜を演出している。
  日本時間では10月30日12時頃に地球に最も接近した火星。前回のは2003年8月に大接近した。今回の接近では、前回ほどではないにしろ、6942万キロメートルまで接近しているという。今回の接近より短い距離で火星が地球に接近するのはいつ?答えは2018年。宇宙はロマンだなあ。夜風が頬に冷たい。でも、そんなロマンの中に今しばらく、このままいよう。静かに夜は更けていく。

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  昨夜14日の夜は吉岡しげ美ちゃんのコンサートに行った。ソウルそして京都コンサートも成功のうちに終わって、三都コンサートもいよいよ最終ステージ。六本木のスイートベイジルに、なんか応援団みたいな気持ちで行った。

  女性のあつい心を歌い上げるしげ美ちゃん。スポットライトの中で輝いている。
茨木のり子の「わたしが一番きれいだったとき」、 与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」
静かな酔いの中で私の大好きな金子みすずの「大漁」・・・・・


  しげ美ちゃん、元気になって本当に良かった、良かった。私はステージを見ながら、なんか涙が止まらなくなっちゃったよ。病気なんて何のその!いつもの明るい笑い声。そして透き通った声。応援団だからね!これからも頑張ってね。

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  ソフトバンクの孫正義社長が、新たなサービス「TVバンク」を来春から始める計画を明らかにした。これは、映像コンテンツを持つ世界各国のテレビ局などと提携して、インターネットでパソコンに放送並みの高画質で番組を配信するものだ。
 パソコンでキーワードを入力すれば、ネットを通じ世界の提携先から見たい番組や映像が選べるようになるらしい。番組の視聴だけでなく、テレビショッピングなど双方向通信も可能。広告と視聴料金との組み合わせで課金するなどやはり抜け目ない。
  基軸は東アジア中心というが、ひとつの映像は世界中のテレビ局から何億、何十億という人々の視聴が可能となるわけだ。既存のメディアとの共存か競合か。グローバルな広がりをどう処理していくか。本当に考えさせられる。

 情報の氾濫。私は毎日毎日「情報」の中で蠢いている。朝、オフィスに向かう時。駅前で同じコスチュームの女性が「どうぞ、どうぞ」とフリーペーパーを差し出す。
『ホットペッパー』はあいかわらず、これ一冊でクーポン何枚使えます!とうたっている。そして内容も「忘年会特集」とかわり映えせず。もう直ぐ、「新年会」そして「歓送迎会」と続くはずだ。
  パソコンにキーワードを入力すれば、「こと足りてしまう時代」 だ。情報は「タダ」てウキウキ顔してやってくる。何千件と見放題、検索し放題、使いまくり放題。 いまどき、百科事典などひいている人間はいないんじゃないか?「ああ、その事はあの人に聞け」「など、ある「人脈」をもつこともなくて済んでしまう。だからこそ、自分の「勘」とか、情報を見極める目を研ぎ澄ませる努力をかいてはならない。情報に対して常に「タダ」「受身」でいれば、必ずその氾濫の中で溺れていくだろう。

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    約300万人ともいわれる団塊の世代の定年退職がいよいよ2007年から始まり、この消費のうねりをマーケットの中で皆が狙い始めている。
 博報堂生活総合研究所が生み出した概念である「孫(まご)ップル」消費の拡大という概念。
祖父母と孫との組み合わせが生み出す市場を指している。
  退職して時間があり経済的にも余裕のある「退衆」の多くがより孫市場とともに旅行やドライブなどを好むとい。孫と時々しか会えない「時待ち型」と時間的余裕のない両親に育てられた子供との利害が一致する組み合わせが「孫ップル」ということ。。。。。らしい
今後は祖父母と一緒にアウトドアを楽しんだり、料理教室に通ったり。??
『時間消費型消費の孫ップル』商品が新しいヒットを生むのではないでしょうか」と分析しているが、ちょっと待ってくれ。
  祖父母は孫に対して、旅行に連れていったり、美味しい料理を食べさせたり、おもちゃを買ってやったり。現象面ばかり捉えてはいないか?現在、辟易するほど、私たちの生活は裕福じゃないか?
  「利害が一致」なんてあっさりとを血のつながったもの同士間のことを、マーケティングで考えないでほしい。世の中の「快」が99パーセントのことはお金で解決できることが多い。どうにもならない1パーセント、いやコンマ何パーセントの部分を戦後自由に「学んできた」団塊の祖父母たちは、「孫」に教えていくものがあるだろう。そこからのマーケットを熟慮してほしい。短絡的に「モノ」や「ソフト」を売る時代はもうやめよう。


 

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  最近のバイオ分野の研究開発はめざましい。2日に茨城県つくば市にある産業技術総合研究所が、微細加工技術ベンチャーのSCIVAX(サイヴァクスと共同で唾液からストレスを測れるバイオチップを試作したと発表した。ストレスを測る指標として、血液中のコルチゾール、アドレナリンなどが知られているが、採血する場合、新たなストレスが加わるため測定に使いにくかったらしい。 。唾液を採取して、試薬とともにチップに注げば、両物質を三分以内で検出できるとかで一年後くらいには実用化されるようだ。 労働管理などの面で役立つのだろう。
  
   以前(かなり曖昧であるが)、歯が痛くて痛くてしようがない時期があった。どの歯が痛いのかが分からない。歯科に行って診察を受けた。歯科医は私の顔を見ながら、「変ですねえ・・・」と首をかしげていた。「虫歯ですか?歯周病とか?」と訊いたのだが、歯科医は暫く考え込んでいた。そして、急に私にこう訊ねた。「吉田さん、最近、あまり好きでない人と食事をしてはいませんか?」と。その言葉にびっくりした。頭の中をいろいろな人の顔が浮かぶ。「好きでない人?」と今度は自分のほうが考え込んでしまった。

  「先生、何故ですか?」
  「最近の研究でなんですがね、ストレスで唾液の成分が変わってくるということが
  分かってきているんですよ」
  「ストレスで?歯が痛む?」
  「だから、虫歯でなくても歯が痛むことがあるんですよ。
  だから嫌いな人とは食事は避けたほうがいいですね」
  そういうと、歯科医はからっと微笑んでみせた。
  
   暫くして、問題はあっけなく解決した。食事は楽しくすること。これが一番だということ。
しかし、不思議な体験をしたものだった。やがて私の歯痛は全く何事もなかったように消えていった。


   

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プロフィール

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吉田いち子
東京麹町生まれ。日本女子大学卒業後、サンケイリビング新聞社に勤務。2004年3月独立。
その後フリーランスで単行本取材・執筆。主婦、母親、会社員の慌しい?人生経験を生かした取材が得意テーマ。強みは「人脈」。名刺交換だけでなくまさに「魂」の交換?を理想にした密度の濃い人脈作りを目指している。2005年10月に首都圏在住の40歳以上のミドル層をターゲットとした生活情報誌『ありか』を創刊。2007年5月に、これまでに培ったノウハウを生かし編集企画・出版プロデュースをメーンとする株式会社『吉田事務所』を設立した。2011年春から豊島区の地域紙『豊島の選択』の取材・編集。

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