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ch07.味 | ichikoTV - Part 3 ichikoTV

‘ch07.味’ カテゴリーのアーカイブ

糠床のハーモニー

2022 年 6 月 12 日 日曜日

ちょっと残った野菜など・・・糠床にはいるとなんて大変身するのだ?と私はいつも思う。日本ならではの糠漬けという食文化。素晴らしさが漲っている。野菜と糠が対話して、化学変化して、その〝時〟を待っているという文化。かけがえのない世界が繰り広げられる。

キュウリ、ニンジン、ダイコン、そして最近はミョウガ。もう、何とも言えない食文化が広がる。

糠は丁寧に丁寧に〝時〟を刻み、そして変化してまた〝時〟を刻んでいく。いろいろな野菜と対話して、対話していく。野菜たちも驚くほどの世界で生野菜としてサラダで登場!する時とはかわって、熟成された世界を知るのだろう。

糠自体も変化する。塩分多すぎの時は新たな糠と出合いそして調和の世界を知るのだ。そしてほどよい糠文化を繰り広げる。あっぱれ!日本の食文化である。

2022 年 5 月 14 日 土曜日

タケノコの美味しい季節だ。新鮮なものは刺身で、煮ても焼いても炊きこんでも美味いタケノコ。

昔、この季節になると山ほど山口県からタケノコを送ってきてくれる友人がいた。いつの日か今か今かと新鮮なタケノコを待っていたのだが、ある年に届かなかった・・・そのまま気にせず時間が流れたがもう一人の友人が「全く連絡がつかないのよ」と連絡してきて、いろいろ私に訊ねたが全く消息不明。現代の「独り」というのは、本当に連絡がつかなくなったら、全く前には進まないのだ。行政は「個人情報は教えられません」と一点張り。これこそ全く前進しない。電話だメールだなんだかんだの方法も全く役立つないことを知る。

東京にきた時は必ず、友人のオフィスにより、そこでみんなに料理を振る舞っていたと聞き、もっと遡れば、そう20代から彼は山仲間だった。電話口で焦っている友人の口から「幼稚運の園児にタケノコ堀りとかいろいろ教えているともきいた」という中から私の頭の中に「幼稚園」という彼のイメージとは結びつかない言葉が響いた。

何れにしても事態は尋常ではないのだ・・・

不思議と言えば不思議である。いつも自分が不思議だと思えるのはこんな時。ふっと地図を広げ、そして地域の中にある幼稚園を3つ選んだ。

最初の幼稚園では「知りませんね・・・」と呆気なく。そして次の幼稚園に電話した時だった。本当にこういうことがあるものか!と思った一瞬だった。たまたまか、必然か?電話口に出たのは園長先生で、私の口から「Nさん」と彼の名前を出した途端!「わぁー」という響きと興奮にも似た焦りの声が聞こえた。「今年も園児たちにタケノコ堀りを教えてくれる予定だったんだす!」と。その後はいろいろな経緯と「死」という事実を教えてくれたのだ。しかし現代の「独り」というのは本当に本人がいなくなってしまうと全く手も足もでない。納骨されたのであれば寺か?また、地図を見ながら川筋を見て、「教えて教えて」と思い、何故か北方向にある寺に電話をしてみた。その瞬間だった。また電話口にご住職が出られ、驚き、彼の「~家」の話を始めた。私はひたすらメモをとった。

何かに揺り動かされて、知らされて・・・友人に電話で連絡して事情を伝え、菩提寺を教えた。電話の向こうで彼女はとても驚き・・・そして泣いた。

20代の頃は、夏になるとふた山くらい登り、高山植物の好きな彼は、花たちを写真におさめた。若い時代の私たちは「近くにこんな綺麗な花があるのにぃ~」と言って彼をからかいながら燥いだ。

5月・・・この季節になると〝あの時〟から毎年毎年、夏山に登った時のこと、そして届けられた荷物にある彼の文字を思い出すのだ。5月に届けられたのは「タケノコ」ではなく・・・なんか「筍」だった気がする。

幸せな朝食

2022 年 5 月 10 日 火曜日

毎日、手塩にかけて・・・糠床は美味しさを保ち、そして進化するものだと思う。しかし、何がそんなに忙しいのか?と自分を戒めたいほどに放置しておくと、これは大変な事となる。

糠床をつくり直して、野菜を漬けた。福島県でまだ風評被害のなんたらかんたらと言われている野菜たちを漬けた。浅漬けのキュウリも蕪も実に美味い、炊き立てのご飯、そして友人からいただいた岩手県産のワカメの味噌汁。そんな朝食をとった。

心身健康であるからこそ、新鮮さが美味いと感じるのだ。当たり前のようであった決して当たり前ではない、そんな幸せ。

今日は立夏です

2022 年 5 月 5 日 木曜日

2022年5月5日、今日は「立夏」です。しかし、いきなり夏模様で、歩いていると汗ばむほどです。今夜は菖蒲湯に入ろうかと!それにしても和菓子屋に行ったところ、柏餅の売れ行きの凄いことといったら!「こしあんは売り切れです!」と言われ粒あんと味噌の二種類を買いました。意外と味噌が好きなんです!私は。柏の香がふーっと・・・なんと良い香りでしょうか。柏は秋になっても落葉せず、年を越しても新しい芽が出るまで葉が落ちないという習性から、子孫繁栄を願う縁起物として扱われています。日本文化って本当にこういう時にいいな!と感じます。

2022 年 4 月 3 日 日曜日

天然の鯛せを見つけた。おお!養殖の鯛とは本当に違うのだ。

先ずは刺身で、そして残りは煮て・・・

この季節の鯛は本当に美味い。

有難う!お鍋

2022 年 1 月 27 日 木曜日

寒い日は鍋料理が一番!メーンの食材が決まれば後は好きな野菜をチョイス!タラ、白子、鮟鱇、豚・・・そして昨日は羊にした。しかし!食べ終わって洗う時の事、愛用の鍋がカパッ!と割れた。見事という割れ方で。本当にお世話になったお鍋だったね・・・と思う。げんきんなもので、次の鍋を選択している。今度は瑠璃色の鍋に心惹かれる。

2022年の朝 おめでとう

2022 年 1 月 1 日 土曜日

2022年を無事に迎える事が出来た。自分にとって実に「激動」だった2021年。嵐のように雷のように炎のように過ぎた。気づけば2022年へと時が音をたてた。

昨年、年縞が世界で唯一見られるという福井県の水月湖を訪れた時、宿屋で飲んて感動した日本酒「早瀬浦」を正月の為にとっておいた。じっと耐えて(笑)もう!良し!と飲む元旦。

今年は優しくしなやかに生きようと思う。

おおつごもり

2021 年 12 月 31 日 金曜日

おおつごもりとなった・・・

とりあえずというのもなんだが、お節料理もほぼ完成。

しかし、日本からイクラがなくなったのか?と思うほど「無い」!

もう諦めた(笑)

蒲鉾を切ってあとはお重に詰めるだけ。

ほっ・・・

本当に本当にいろいろあった2021年。

初めての事も多すぎた(笑)

年の締めくくりとしてもこの正月料理はたんたんと作る・・・これが私の流儀なのかも知れないな。

たまごやき

2021 年 12 月 22 日 水曜日

夕方になると気温がぐっと低くなる。とくに乾燥しているのでその空気の冷たさも身にしみる。

背筋を伸ばして!お腹を引っ込めて!歩かないと!と思っても、どうも前屈みになって、猫背の醜い姿となってしまう!ああ・・・

そんな夜、私の前を自転車が疾走する。

「今夜、何にしようかぁ?」と母親が後方に座る子どもに話しかける。すかさず母親は「たまごやきにしようか!たまごやき作ろう!」と言うと「わーい!たまごやきぃ!と子どもがはしゃぐ。

冷たい空気は何故かこんな和やかな声がクリアに聞こえる。保育園帰りの子どもとの一時の会話が冷たい空気を一瞬忘れさせてくれる。一日の仕事を終えて、帰路に・・そんな親子の会話が温かい冬の一こま。

2021年12月22日。今夜は「冬至」。柚子湯にはいり、いろんなこと考えたり思い出したり・・・いいかもね!

切れ味

2021 年 11 月 11 日 木曜日

雑な言い方なのだが・・・私は料理をするのが速い・・・と思う。わりと集中してわっと作るタイプ。気性がかなりせっかちなのが影響しているのかも知れない。ただ、じっくり煮込む料理などには細心の注意をする。なんというか、実験の間隔で、意外や神経質になる。だから料理は不思議だといつも思う。所謂、タイミングというものがある。間のとり方というか・・・

そんな私は、言うのも恥ずかしいが、結構、手頃で格安包丁を使っていた。「ん・・・研げないか」という感じの包丁。セラミックのも衛生的でいいな!と思うと使ってきた。

しかし!

新潟燕三条のなかなかいい包丁を入手した。指でも切ったら~と思うと怖い(笑)と思いつつ、これからますます美味しくなる大根を切った。サクッ!?あれれ、音が違うよ。これが切れ味というものか!と妙にまな板の上の大根に感激してしまった。切れ味も料理の味と一緒だなと思った。

もともと料理は嫌いではないが、なんこの包丁でますます料理が楽しくなった。たまには奮発してみるのもいいね!