この世に絶対という言葉。悲しい「死」というものだということがつくづく分る。小林カツ代さんとの思い出、それも仕事というよりプライベートでといえるような思い出。よくぞ!と思うほど、まざまざとうかびあがってくる。不思議なほどだ。そうそう、講演会の時の口紅の色まで思い出している・・・。人の記憶とは一体何なのだろう?と改めて思ってしまう。
2000年の春。浜町でお花見をしていた時だった。「あのね、あなたも入りなさいよ!」と言われるがまま、かっちゃん構想の合唱団への入団した。当初は料理関係者のコーラスグループだと思っていたところ、動物をこよなく愛するかっちゃんの強く優しい信念が息づく「神楽坂女声合唱団」だったのだ。名古屋、北海道・・・東京だけでなく、いろいろ地方公演にも行ったね。結成時の年末に初のチャリティーディナーショー。あの時の団員の興奮といったら!今年、合唱団も結成15周年ですよ。
勿論、料理本の編集も。撮影終了後はかっちゃんの料理をおなかいっぱい食べて笑って笑って笑った。もっと前に遡れば・・・当時はある時代の風にのっていた方のホームパーティーの席で「初めて出会った。「私ね、お料理するのが好きなだけなのよ~」という、普通?のかっちゃんだった。そして、かっちゃんの才能はあれよあれよという間にカリスマ料理研究家に。
野菜の皮むきにこだわっていた私に「あんたぁ、馬鹿ね~」と言われ、ピーラーをもっと料理に使うことも教えてくれた。「料理人になるわけじゃないんでしょ?」と言ってケタケタケタケタといつまでも笑っていた。
雑誌編集者とともに定期的に「みっけ!」という飲食店へ行ったことがある。私が「みっけ!」と言った店で、ある料理を靴にして、しばし無言の後、「こりゃいかん」と言う。それからその会は「こりゃいかん会」となった。いつも大笑いの連続だった。料理店になかなか現れず・・・ウルトラ方向音痴のかっちゃんは電車の方向を間違えて。「電車がホームに入ってきたから乗っちゃったのよ」とその間違いを自慢げに話す。ふんふんと頷いていると「あんた!ちゃんと聞いてるの!?」と。「だから、ホームに入ってきた電車に乗っちゃったんでしょ?」と。これまた可笑しかったのだ。
物忘れが激しい今日この頃だというのに、よく思い出してしまう。次から次へと。不思議現象。そして思い出し笑いをしていまう。また、編集した本など読みかえしてみますね。かっちゃんの料理はしっかり多くの家庭のおふくろの味、おやじの味になっていますよ。