ずっとタクシーの運転をしていましたよ・・・という人は意外と少ないものだ。
時折、タクシーに乗るとつい、前職を聞いてしまう。
保険会社、居酒屋経営、宝石販売とまあ実に多種多様である。
「ところで、お客さん、バブルって知ってますか?」と聞かれる。
勿論、大いに経験すみであるが・・・
「いやあ、あの頃、会社経営していましてね。そりゃ、稼ぎましたよ~信じられないくらいにね」という。
そして「額言ったら驚くよ」と言われ、その額を聞いてひぇーっということになる。
束の間のおしゃべりに「社会構造」が見える。
「だって相手はこどもでしょ?」とぬけぬけといっていた人がいる。
そういう人は「そんなときはベビーシッターを頼めばいいんじゃないの?」とまた、ぬけぬけという。
決してその人を責めてはならない。
その人は子育てのことをたまたま経験していないだけのこと。
そう、相手はこどもでしょ?
しかし、保育士さんたちの悲鳴は大変なものがある。
これが現実である。
拘束時間の長さ。そてしサービス残業も当たり前の日々。
「保育士だけじゃないよ~誰だって、仕事の持ち帰りくらいある」というだろう。
しかし、こどもたちの発表会で使う飾り付け品などは徹夜でやることも多いという。
「とにかく、保育士はきついの一言ですよ」と時々、整体を兼ねていくマッサージの先生も嘗ては保育士だったという。
現在も次から次へと先生の技術にほれて訪れるお客さんの数からいえば休む間もないのでは?と心配になるほど。
それでも「保育士時代のほうがずーっときつかった」という。
そして「報酬の低さは信じられないですよ」と付け加えた。
ここでも「聞いたらびっくりしますよ」と言われて教えてくれた額にシャレでなく愕然とする。
生きがいを感じる・・・みなが、そんな仕事ができるための社会にはまたまだ足りないことが多い。