発表会といえば・・・
先ず、8月に「朗読会」がある。広島と長崎、日本への原子爆弾投下にちなむ話、手紙、短歌などの本格的練習に入った。その中で、『海ゆかば』を歌うシーンがある。この歌は信時潔(1887-1965)が1937年(昭和12年)に作曲した国民歌謡・戦時歌謡ということだ。歌詞は奈良時代の歌人である大伴家持による『万葉集』巻十八「賀陸奥国出金詔書歌」から抜粋されている。
海行かば 水漬く屍
山行かば 草生す屍
大君の辺にこそ死なめ
かへり見はせじ
大君とは天皇のことである。兵士たちはこれを口にしたというが・・・
以前、従軍看護婦をしていた方を取材したことがある。まだ若い若い兵隊さんの看護をしていた。「米粒を集めて集めて粥にして、一匙、その兵隊さんの口に運んだ。そして、亡くなる直前に一言「おかあさん」と言ったの」と聞いた。亡骸を森に運び、そして葬られたと言っていた。多くの記憶。思い出し思い出し、そして、哀しい哀しいといつまでも泣いていらした。
その時のこと・・・どれほどの悲しみと苦しみがあったか・・・ふと思い出す。