サイトトップ

言葉を紡ぎたい | ichikoTV ichikoTV

言葉を紡ぎたい

先般、テレビ番組で歌人・木下達也さんを見て、衝撃を受けた。

そして・・・

本当に昔の話だが、俳句の先生の教室の取材をしたことがある。その時に、「吉田さんも俳句作ってみなさい」といきなり言われたことがあった。その時にも似た衝撃だった。

中学1年生の国語の授業でやって以来、俳句の世界とは全く関係がなかった。というのにだ!その日から、何とも・・・1か月に6作品を作りだすことになった。ひねり出してももう言葉さえ出で来ない。そしていくつか提出すると「吉田さんは書きすぎです」と言われた。俳句のそぎ落とした美学の世界に入り込んだ気がした。不思議なもので6作品も作っていると1年、2年と経つと実に作品がたまっていくのだ。自分でも信じられないほどに。

短歌など・・・もう無理だと思い続けていたところに木下さんの呻き苦しみながら言葉を紡いでいく姿を見て、その衝撃波は自分をまっすぐに貫いていったのだ。その時、呻いてもいいから、言葉を紡ぎたいと思った。

思い出す。「どこがわるいのかわからないんだよ~」と病室のベッドで言っていた。お見舞いの花を置いた。師匠のきている少し派手なパジャマの話題で盛り上がり・・・笑った。「派手ですね」と。

というのに、突然亡くなった。本当に本当にあっという間の事だった。師匠のいない俳句の会はなくなった。しかし、今も尚、師匠の添削はそのままのこしてある。

もしかしたら、人生っていうものが「言葉」の集合体なのかもしれないなと思う。今、師匠の事を思い出すと、溢れんばかりの言葉の渦が出来た。

コメントをどうぞ

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)