子ども時代に不思議でしようもない光景が大人になってしみじみ分かる事がある。
梅酒の瓶を愛おしく見つめる父の姿が思いだされる。父の口からは途方もない年月を聞いた記憶がある。その歳月が梅酒を熟成させていくこと。子どもにとっては“美しい”と思える色でもない梅酒の色だが、その瓶を父はしみじみと見ていた。
夏は谷中生姜をうまい!といって晩酌をしていた父。そんなにうまいものか?と一口噛んでみた。とんでもない辛さに咽こむ。そんな姿を見て、父は笑っていた。母も、ミョウガを刻み、蕗を炊き・・・子どもにとってはそんな夏の味覚に全く興味のかけらもなかった。
・・・というのに、としを重ねていくと、この夏の味覚がたまらなくいいことに気づく。そして、その愉しみがますのである。不思議な時の流れである。
この季節にいろいろ思い出して・・・
幾年の梅の実落つる瓶の底
香を恋し蕗煮るか薄緑
いち子さんこんにちは。つゆどきのはっきりしない昨日今日です。
”・・・梅の実落つる瓶の底” いいですね~ 梅の実ってとっても可愛くて、すぐれものですね。
梅雨の合間の貴重な一日は梅仕事で、私も大忙しです。今年はお陰様で成り年で、かなりの収穫がありました。
梅シロップの梅が瓶の中で黄ばみを帯びてきて、とろり~としたシロップが少しづつ上に上がってきました。
なにより嬉しいのは、梅ジャムです。毎朝のトーストにたっぷり塗って、至福のひとときを過ごしております。
まだしばらく梅雨は続きます。体調をくずさぬようお気をつけください。