3月6日に「小林カツ代展」に行き、会場内で気配を感じようとしたが、そこにはなかった。
だが、不思議なもので、会場内のデスクの上にカツ代さん愛用の眼鏡、直筆原稿、俳句手帖、そして詩をしたためた小さなノートなどがあった。それを読んだ時にその文字たちに「風」が吹いた。その時「ああ、なるほどね!」と思った。密かに思った・・・。
カツ代さんは自然界に吹く風のように食材を手にし、その「時」の空気に溶け込んで「料理」として表現してきたのだと思った。
その風は溢れ出るコトバをまるで魔法のように「文字」にしていたのかと思った。