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手つかずのファイルを開けた

〝断捨離〟という言葉は最初に聞いた時からあまり好きな言葉ではなかった。それに私自身、小さい頃は本当に片づけの出来ないアホな子どもだった。人任せの実にいい加減な奴!という感じの子どもだった。

が!しかし!時間の経過は不思議なもので、今では片付け魔というほどに整理整頓好きとなった。時間見つけては整理整頓している。こんなにも「人間って変われるものか?」というほど今では思う。そもそもの気質はそれほどに変わっていないと思うが、どうしたのだろう?(笑)

しかしね・・・手つかずのファイル。ずーっと気にはなっているものの手つかず数年、いや数十年の経過。それは膨大な「手紙」類。実に悩ましい。本当に気が重いが、開いてみた。あぁぁぁぁ・・・思った通りだ。ボウゼン状態のまま、しばし息継ぎ。しかし、おかしなことに「この人誰だっけ?」という人がいるではないか。私、アタマおかしいんじゃないの?気分である。ただただゴメンナサイ。

そんな中、大学時代のゼミの恩師のハガキの数々。これはやはり捨てられない。そしていろいろあって相談にのって下さった方からのハガキや手紙。ああ!これもダメだ・・捨てられない。そんな中「久しぶりに人間ドックに行ったけど・・・健康第一だよね!」と明るくポンポン跳ねた文字で書かれたハガキ数枚。彼女は若くして呆気なくクモ膜下出血で亡くなってしまった。あの時も呆然だった。そして、女友達の「結婚式」招待状・・・すったもんだすったもんだ~で二人は別れてしまったな・・・これはナシにしよう。あっ!開封していないものもある。写真入りと書いてあるではないか!。「どっ!どうしたんだ?」。開封すると・・・散骨にいった時の写真数枚と手紙がある。きっと開封も出来なかった時なんだろう・・・とふっと思った。時が過ぎてしまった。

小説読むより面白い時間が過ぎた。何故って、人々の人生の呟きが聞こえてくるから。そしてその呟きを聞ける記憶がまだあるからか。

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