郷土史研究家の伊藤榮洪先生の大親友だったSさん。高校入学の時から「気が合うなと思ったよ」と、追悼インタビューの時に語ってくださった。
そのSさんが今年の夏、大親友の伊藤先生を追いかけるようにして亡くなってしまった。本当に追いかけて行ったという感じだ。一年も経たないで・・・
私たちは、いつまでも信じられない気持ちを引きずっていた。
生前親しくさせていただいた方々とご自宅にお線香をあげにいった。遺影のSさんは、相変わらずダンディーで屈託のない笑顔だった。
奥様が紅茶をいれてくださり、そして「最期は、え?・・・というほどにあっけなくて。静かに息を引き取りました」と。
あの追悼インタビューの日。「今日は、伊藤の事をなんでも話しちゃうよ~」と笑っていたSさん。
静かに静かに天にめされた。
きっと、栄洪先生とまたワイワイと話しているのではないかって・・・そう思う。
帰り道、桜並木の道にはらはらと落ち葉が舞い散っていた。
「大好きだったんですよ、この道が」と奥様が呟いた。
Sさん!どうぞ安らかに。