NPO法人「としまの記憶」をつなぐ会で、いろいろ語り部の皆様の貴重なお話をインタビュー取材、映像化している。今年もまた、大正大学の表現学部、立教大学放送研究の学生さんたちとともに動画の編集に携わった。
ところで、これまでの活動の中で、この記憶を集めながら、語り部の皆さんの頭の中に残る、川の記憶が大変興味深かった。「あの川は何川だったのか?」「あの小川は?」と続く質問を聞くうちに、ひとつのセミナーを思いついたのだ。ズバリ「川企画」であった。
民俗学者の柳田國男は、「川は、日本の天然のもっとも日本的なるものであった。」とも言う。大なり小なり、河川は上流から河口まで、大地を刻みながら多彩な風景と文化を育んできたといえる。
豊島区にも嘗ては川が流れ、上水も敷かれていた時代があった。河川から田畑へ流れる用水路もあった。現在私たちが歩いている道は昔、川であったところもある。川の歴史、そして川沿いに生まれた文化について水辺の面影を辿っていく。まずは豊島区からということで企画した。全3回シリーズである。ご興味のある方は是非ご参加ください!
水辺の面影を辿る
「豊島区 川の歴史・文化の思い出を記憶する」
(豊島区・豊島新聞社・東京商工会議所豊島支部後援)
【実施概要】
◆期間:平成26年4月5日~5月10日。各土曜日。
◆時間:13時15分~14時45分
◆定員:50名
◆受講料:全3回で4,500円(1回1,500円)
◆会場:淑徳大学池袋サテライト・キャンパス
http://ext.shukutoku.ac.jp/open/guid/
◆講師:山田智稔(相模女子大学名誉教授)・本田晴彦(美術家 彫刻家 アトリエ村資料室代表) ・語り部 / 海保 洋一・紙芝居 / 別所弘一 ・岡本まゆみ
全コーディネーター 吉田 いち子
【講座内容】
第1回
4月5日(土):「池袋モンパルナス 川沿いに生まれた文化とは?」
本田晴彦(美術家 彫刻家 アトリエ村資料室代表)
パリのセーヌ左岸、モンパルナス駅近くにciteシテあるいは colonieコロニ と呼ばれる芸術家の集落がいくつかあったように、嘗ての池袋でも、停車場から歩ける範囲には麦畑や大根畑や、葦や芒がおいしげる湿地に、貸アトリエの集落があった。セーヌ左岸と谷端川辺りに生まれた芸術家たちの文化とは?川にまつわる絵画や写真を見ながら楽しく考えていきます。
第2回
4月12日(土):「豊島区を流れていた川の歴史を学ぶ」
山田智稔(相模女子大学名誉教授)
豊島区にも谷端川(小石川)、弦巻川、水窪川(日の出川)、谷戸川(谷田川・藍染川)の4つの川と、千川上水が流れ、人々の生活に強くかかわってきました。何故、流れは暗渠化されたのか?地図とスライドを見ながら川の歴史を学びます。
第3回
5月10日(土):「紙芝居を楽しみながら みんなで語ろう!川の記憶」
語り部 / 海保 洋一・紙芝居 / 別所弘一・岡本まゆみ)
古くから豊島に伝わる民話をもとに作られた紙芝居「小さい桶・むじなの恩返し」、そして「千川上水物語」。日頃より地域の子どもたちをはじめ高齢者の方々に、昔、豊島区には美しい川が流れていた話、水や土の大切さを伝える活動をしている「千早語り部部会」による上演。この回では参加者が持ち寄った写真や絵などを見ながら、記憶を語るなど参加型の講座を実施します。
【講師プロフィール】
第1回
本田晴彦(ほんだ はるひこ)
美術家 彫刻家 アトリエ村資料室代表
美術作家として現代美術を国内外で発表 多くの展覧会も企画
アトリエ村のそばに住み アトリエ村に関しての研究もする
第2回
山田智稔(やまだ ともとし)
専門は、暮らしの場としての都市空間の歴史的研究と建築の設計。また、インテリア、住居、建築を中心にデザイン教育にも関わる。現在は、50年近く暮らす豊島区域に関心を持ち、区内を散歩し踏査することに努める。併せて、「普通の人」の「暮らしの記憶」を残すことが地域にとって重要であると考え、<「としまの記憶」をつなぐ会>の設立に参画し、代表理事の任に当たる。
第3回
語り部 / 海保 洋一(かいほ よういち)
現在、要町3丁目町会町会長、区民ひろば千早 副理事長をつとめる。
紙芝居 / 別所弘一(べっしょ こういち) 、岡本まゆみ(おかもと まゆみ)
【申し込み】
豊島区南池袋1-26-9 7階 「淑徳大学エクステンションセンター」公開講座
TEL03-5979-7061 FAX 03-3988-7470
メール ext@ccb.shukutoku.ac.jp