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記憶だけではどうにもならないことがある

昔々・・・かなり昔のこと。ある霊能者のKさんと話している時、話の途中でいきなり語気を荒げて「なんでしないの!女性たちの生き方を纏めないの?」と言い出したことがあった。その瞬間、一体何が起こったかは理解できないまま、呆然と、「そんなこともあるんだなあ」程度の感覚で終わり、帰ったことがある。

 

当時といえば・・・

例えば記者会見にしても一歩進んだフレッシュな情報をもぎりとる仕事が多かった。また各社からの新製品情報にしてもニュースにしてもいわば先端情報を扱っていた。そんな日々の中で、たまたまKさんと仕事とは離れた時間にそんなことを突然言われた。ちんぷんかんぷんであったのだ。

しかし年月とは本当に不思議なものである。昨年、依頼された行政の仕事で、「平成史は男性でなく女性に絞ります」と決定して以来、インタビューの相手は時代の波を精力的に泳いでこられた女性にターゲットとなっっている。単行本一冊書きあげるくらいの勢いの人生の足跡をお持ちの方ばかりであ。たまたま、今回は「平成時代」という30年間に絞るのだが、この30年間のなんと怒涛にみちているか・・・言葉と言葉で積み上げていく作業のど真ん中にいる。

 

しばらく、霊能者のKさんとはもう連絡がとれないでいる。たまたまKさんが住んでいた郊外の駅に立ち寄ったことがあり、その時「確か、このあたりだったかな」と思って探すが、駅そのものの著しい変化。そして街の様子もすっかりと変わってしまっている。時の流れとともにいろいろなものが変化していく。きっと住む人々も全く変わってしまったのだろう。冷静になってみる。自分の頭の中に残像としてあるKさんの家のドア・・・室内の様子・・・そして室内のにおい。

今、何か使命をうけた気持ちでいる。あの「最先端にいる」などと一種のまやかしにも似た魔法にかかっていた時代を完全に過ぎ、今はもっともっと自分の足元を見つめなおし、それまで得た価値観すら変えていかなくてはならない時期になっていることを知る。

ただ・・・記憶だけではどうにもならないことを知る。

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