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価値観について

今年も「中央図書館」の専門研究員の委嘱をうけた。4月の人事異動もあり、担当の方も異動があった。現在は会議も中止となり、いろいろな業務報告は殆どメールでのやり取りになっている。

その中で何の気なしにその新しい担当の方に「今回のコロナウイルス感染拡大といえ未曾有の体験によって、いよいよ人の価値観も変わるのでしょうねぇ」と書いたところ、Sさんは読まれたコラムの一節を送ってきてくださった、為末大さんのコラムだという。何度も何度も読んだ。Sさん!有難うございます。 

 

危機と文章と自己把握

 

どうすれば自分を理解できますかという質問をよくいただきますが、根気さえあれば結構簡単で、その都度自分がとった行動や決定したこと、思ったことを文章に書き、それをあとで振り返るととてもよく自分がわかります。人間は安定しておらず、状況によって感じ方や決定することが変わります。

 

いつもと同じ環境で同じことを繰り返しながら自分を知るのはとても難しいです。なぜならば環境や状況が変わらないと、出てくる自分の反応もまたほとんど習慣化されたものしか出てこないからです。ところが環境や状況が変わると自分の反応が変わります。その反応の癖が自分と思って概ね間違いありません。

 

神経質なのか。鈍感なのか。決め付けたがるのか。答えを保留したがるのか。仲間を欲しがるのか。距離をおきたがるのか。怖がるのか。リスクを取りたがるのか。外部に責任を求めたがるのか。自分を責めたがるのか。知りたがるのか。まず動きたがるのか。これら全てが自分を知るための大事なヒントです。

 

今まさに新型コロナウイルスで大変なこのような状況で露呈している自分を、後ほど冷静になったときに眺めると自分自身の隠れた本質が見えます。平時は余裕がありますから習慣の中に隠れていられますが、有事は余裕がないので自分が出てきます。その自分をすかさず描写し残しておき、後ほど眺めることで自己理解を深めるのです。

 

・違う世界(留学など)に飛び込んだことがある人

・何かを必死で目指したことがある人

・修羅場体験がある人

は自己理解能力が優れていると私は思います。日常とは違う状況で出てくる自分を見てしまうので、どうしても自分を観察せざるをえないからだと思います。

 

一方、自分を見ることは人によっては耐えがたい辛さを伴います。なぜならば自分が嫌いな人や、否定していることと同じものが自分の中にあることを、直視してしまうからです。この辛さに耐えられなくて人は自分を理解することから逃げようとします。認知的不協和に耐えられないのです。

 

今はチャンスです。この状況で出てくる自分の姿をこと細やかに描写し、それを一年後に眺めてみてください。想像もしなかった自分の姿が見えることでしょう。大事な点は自分の価値観で裁いてしまい、言い訳をしたり説明しいようとしないことです。いいも悪いもなくただ、自分とは別個の存在としてその個体を観察するのがコツです。

 

個別には修羅場は訪れますが、集団に訪れるのは極めて珍しい状況です。一億総メタ認知を獲得できるチャンスだと思い、自己観察に努めることを私はお勧めします。この状況を抜ければ、一年後には皆自分の癖と性質を掴んでいてもっと人生を選びやすくなっているのではないでしょうか。

 

 

 

 

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