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自然の怖さを知る

朝日岳で高齢の登山者たちが低体温で亡くなったというニュースを見た。真冬でもないのに「まさか」と思う人もいると思うが、とにかく自然界の驚異というものは人間の習慣や知識や想定のようなものを一気に奪う。

登山というほど本格的なものではないものの、山登りを始めた時に「夏山で人は凍死する事がある」と聞いてそれこそ「まさか」と思った事があった。しかし、いくつかの山に挑戦していくとその怖さが分かってくる。地上にいるときとは全く、全てが昔の話ではあるが違う事に気づく。

昔の話だが、谷川岳に行ったことがある。5人ほどのメンバーだった。順調に登り始めたかと思ったが・・・山小屋までもうすぐ!という地点でだんだんと霧が濃くなり、どうも風も強くなった。その時に、私の内に戦慄がはしった。わけがわからないが、とにかく「進むな!」という戦慄。私は大きく声をあげた「進みたくない!」声を荒げた。暫く、霧と風の中でメンバーが止まった。一人が「もう、小屋はそこだ!」と強く言い返した。しかし、あまりの私の狂ったような言動に対して、皆の意見は一致した。また数時間かけて下山開始。

登山口にかえった時、そこの小屋か?多くの管理者たちが「何故?とおしたんだ!」と大騒ぎだった事を知った。私達の前のグルーブが遭難して大変な事になっていたその間隙に私たちは、登り始めたようだった。「時」の怖さを全身で感じた。「本当に下山してくれてよかった!またご遺体をおろさなくてはならないのかと思った」とその管理の人が言った。今まで味わったことのない変な興奮の中。私はその夜、泥の様に眠った。

決して決して甘くみてはいけない。自然の驚異に人は実に無力である。

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