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蓋のない壺 | ichikoTV ichikoTV

蓋のない壺

そろそろ植木鉢の花を整えなくてはならないな・・・そう思いながらぼんやりとベランダの園芸棚を見ていた。雨が降る前にやってしまおう・・・と。ふと、懐かしい壺が目に入る。昔々、祖母が砂糖入れに使っていた壺である。“断捨離”といっても捨てられないものがある。この他愛もない壺もその一つ。蓋はどこかへ行ってしまったものの、壺は小さな植木のボットカバーに使ていたこともある。暫く、何の手入れもしていなかったので薄汚れてしまっていた。手にとってゴシゴシと洗う。そして壺の底を初めて意識してみると「Made in Japan」とあった。「はぁ・・・日本製なんだ」と。明治生まれの祖母が料理をしている時、いつもこの壺には真っ白な砂糖があった。その砂糖の白さが眩しかった。昔からつかっていたものなんだろうな。今、見ればただの蓋のない壺。でも思い出があまりにもたくさん詰まっていることに気が付いた。

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