思えば昔~昔~
一人の意地っ張り女がいました(^^♪
大学卒業後の進路で、大学院にいく友人も多かったが、私は兎に角、社会という海に飛び込みたかった。
目の前にうかぶその海はキラキラと輝いていた。どんな波が押し寄せてもどこまでも泳いでいける自信があった。
今、考えると、あまりにも未熟で一言「バカ者」といってやりたいほどの自信があった。
実は「編集」は絶対にやりたくない分野だった。
「しゃべりたい!」という単純なものしかなかった。
それは、今、思えば、世間知らずとはいうものの、あまりにも知らなすぎるバカ者である。
「しゃべり」の世界に入れなかったバカ者はバカなりに、新聞社に入るが、余りにも想像とはかけ離れた「現実」という海に放り出される。
あっぷあっぷするしかない。
自信に満ちて書いた原稿はいきなり「ボツだ!」と。
編集長はなんと床にぶんなげる。
そんな時代だった。
宙をまって床にたたきつけられた原稿用紙を一枚一枚拾い集め乍ら、悔しさでいっぱいになった。
なぜか?階段の踊り場で投げられた原稿用紙をもってがたがたと震えるカラダが一体何なのか?これは果して自分なのか?とたたずんでいた。
自分の目の前にうかぶキラキラした海などあっというまに嵐の海となる。
悔しさで考えがまとまらない日々の中、ただただ意地っ張りの自分はあけてもくれても30行ほどの原稿を気も狂わんばかりに書き続けた。来る日も来る日も。「早く署名記事を書きたい!」その野望で体中は燃えたぎるばかりの日々だった。
ある時、編集長が一言「うまくなったな」と言った。言葉はそれだけ、あっけないほどサラリと。
その瞬間、いやらしいドロドロとした野望のようなものは静かに消えていった。来る日も来る日も空っぽの自信と意地っ張り女が書き続けた30行ほどの原稿の日々は自分のことがよく見えていなかった20代の姿をかえた。いわば、修行だったのだと思う。分をわきまえない、空っぽの自信などあっと言う間にはげてしまうのだ。
本当の自信とは?
日々、ただただ地道に愚直に研鑽をすることだ。
それしかないことが、ようやくわかってきた。
トシとったなぁ~(^^♪
これからもよいトシをとっていこう!