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2020年6月28日 | ichikoTV ichikoTV

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格差というもの

2020 年 6 月 28 日 日曜日

コネチカット大学の教授で、生態学、進化生物学、人類学、数学を教えているピーター・ターチンという歴史学者がいる。

生態学と進化生物学の手法に加え、非線形数学という現代数学のモデルを適用し、歴史には明らかに“再帰的なパターン”が存在していることを発見した人物である。

ターチンがローマ帝国やフランス、明朝などの近代以前の大農業帝国には、帝国の盛衰にかかわる明白なパターンが存在するということを明らかにした。

『平和研究ジャーナル』(2010年)に「1780年から2010年までの合衆国における政治的不安定性のダイナミズム」という論文を寄稿して、アメリカが独立してから農業国から近代的な工業国に移行した19世紀後半からは、約50年ごとに「社会的不安定性」のサイクルが発生していることを明白にした。

格差というもの固定化し、政治や経済のシステムが一部の特権階級に独占された状況内では経済が成長したとしても「社会階層」の上昇は保証されないまま進む。

このような状況が臨界点に達すると、社会的な暴力は激増し、多くの騒乱や内乱が発生するわけである。コロナウイルス感染拡大というものが切っ掛けとなって想像だにしない分裂が始まるのではと。

さて、日本でも然り。

「国民のため」「皆様のために」と甘い言葉は延々と囁くが、何事もない時は意識しなかったその格差は更なる拡大へと行くだろう。

今、政権への信頼度はどのくらいか?と自分に問うてみる。悲しいほどにその低下は否めなく、自分だけでなくその不安は多分ますます激増していくだろうと思う。