サイトトップ

2015年6月17日 | ichikoTV ichikoTV

2015 年 6 月 17 日 のアーカイブ

祖父 渡邉喜一のこと

2015 年 6 月 17 日 水曜日

今年の年末に神楽坂女声合唱団のチャリティーデイナーショーが行われるが、今回、そこで昔歌った「レ・ミゼラブル」の楽譜を見つけなければならず、休みの日にワサワサと資料の山の整理をしていたところ、「何と!」というものがぞろり。その中に『月刊 食味評論』という古めかしい雑誌が出てきた。発行年月日を見ると昭和56年11月1日とある。多田鐡之助さんが「日本食べ歩き」の中で、常盤家社長だった祖父の渡邉喜一の伝記に近いものを書いていらっしゃる。何故今?という感覚で読んだ。雑誌はすっかり黄ばんでしまっているので拡大コピーしてすみずみまで何度も読んだ。常盤家の歴史が「冷静」な視点で書かれているのだ実によく分かった。ふと「不明だが・・・」云々の部分は子ども心に聞いていたあれこれのお家騒動にも似た様々な事象であろう。昭和20年太平洋戦争が終結し、新しい日本政界に自由党が生れたこと。そして祖父と鳩山一郎さんとの出会いも分かった。

何故か、妙に祖父し暮らしていた時代が懐かしくなって心の底がぐじゅぐしゅししてきた。「36歳で東京一の料理屋になり、72歳で日本一の料理屋になり、108歳で世界一の料理屋になる」と言っていたそうだ。明治21年生まれ。戦前、戦中、戦後を駆け抜けてきた祖父。108歳までは生きられなかったものの、料理界に与えた功績は大きい・・・と思う。祖父の底力の一滴でも私に欲しい。