映画『怪物』を見た。是枝裕和監督の映画はだいたい見ている事と、坂本龍一さんへの哀悼の意を表したい、そんな気持ちが強かったからである。
「大きな湖のある町を舞台に、無邪気な子供たちの間に起きた日常の喧嘩が、大人たちを巻き込んで大事件へ発展していく。」とあらすじ紹介はされているが・・・
脚本家・坂元裕二さんの言葉の展開は本当に見事という感。
「犯人って誰?」「怪物って結局誰なの?」という実に陳腐な考えをしている私は、やはり見事にラストに向かって、ビシッ!と見事に裏切られ、最後は奈落の底にドトーンと落とされたくらいの感覚だった。その気持ちの揺れと驚きと感動と疑問の数々を坂本龍一さんの天才的な音楽が浮きぼりにしてくれる。
人間の誰もが持っているであろう「先入観」というのか?見方と考え方、想いと生まれ続けれる様々な感情。実に浮き彫りにされて最後は全体力が失われていった。