今日は十五夜。
しかし、生憎の雨空。
明日は十六夜。
多分、からだごと吸い込まれそうな月と出会えることと思う。
今・・・深まる秋。
気付けばあの暑さを忘れ、もう虫のねをきいている。
日本の風景は日本のカルチャーそのものである。
そう、秋の野原はつつましやかな花が咲き乱れる。
そんな風景が「花野」か。
季語でいう「花野」は平安時代になって登場した。
花野といえば・・・渡辺水巴の句集「白日」におさめられている一句。
天渺々笑ひたくなりし花野かな
大正12年の作品である。
この年は・・・そう、関東大震災のあった年である。
東京生れ、東京育ちの水巴が花野で大震災で崩れた故郷、そして自分を見つめ、自嘲ともつかぬ笑いを・・・