夜空を見上げた。スーパームーン。こんなに月って美しいものなのか!と感動しながら・・・目が少し潤んできた。
癌で闘病している友人に会った帰り道。
他の友人達と彼の行先をあれこれ看護師さん、介護士さんとさんざんさんざん話し合った。ある時は「嫌だ!」と言いながらも、緩和ケアへ行くこととなった。
しかし、人とはここまで痩せてしまうのか?言葉もなく。
仕事をしてきた時の話、富士山に登った時の話、ヨットで釣をした話。そして満開の桜のしたで酒宴。、そしてこんな月を見ながら話しもした。
声が出づらくなった彼は一生懸命にノートに文字を書き、そして弱々しくも手で表現する。
その様子に友人の一人が声が大きくなった。そんな筆記で気持ちを伝えることに慣れないから、しかたないのに・・・。
「友人としてこうしたことを経験することっなかなかないよ」と一人が言う。「たいがい家族というものがそういう事ってするからね」と。
家族がいても闘病中であったり、“縁”がなくなった人間関係になってしまえば・・・これもしかたない事だ。
しかたない・・・のだ。
だったら・・・できる人間が手をさしのべることだ。
まず、さしのべて進め!これしかない。
夜空の月がきらきらと輝いている。
宇宙の中で、人はちっぽけな存在でも、みんな人を愛したり、必死に生きようとしているのだ。
ウオオオオーッと叫びたくなった満月の夜。